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須賀敦子色々

「須賀敦子の世界展」メモ
手紙、手紙、手紙。自分自身の心情、記憶を綴りながら、何よりも強く、思い描いていたものは、相手のこと、読み手のことだったのではないか。読むものの快さを引き出す、温かさ、ひたむきさ、そして、可愛らしさ。まるく、しなやかな言葉。この上なく素敵だと、ひとりごちる。
死とはいなくなること。須賀敦子の言葉は、息が詰まるほど、心がすべての音を、感じなくなるほど、それを、知っているものの、言葉であるように思う。改めて、その、愛するものの死を書いた言葉に触れ、強くそう、感じた。

『須賀敦子ふたたび (KAWADE夢ムック 文藝別冊)』
淡く、豊潤な色彩の、決して褪せることのない、美しさ。暗く、物憂げに佇む心の翳りにさえ、向き合い、光を当てる優しさ。研ぎ澄まされ、静謐に煌めく言葉の、硬質な輝き。時に触れ難いと感じるほど、怜悧な光でありながら、そこには、哀しみを多く含んでなお、強く、歩み続けるものの、柔らかさ、温かさがあるように思う。情景に宿る思い、寂寥、哀惜…甘さのない、澄み切った静けさ。快い余韻、だが、それは清廉であるが故に、僅かなためらいをも、覚える。
自分にとって、須賀敦子は全面的に好きな作家と言う訳ではなく、受け入れ難い部分、その文章の中には、飲み込み難いと感じる部分さえ、少なくはない。だが、それでもやはり、惹かれる部分、身体に心地好く馴染んで行く言葉の方が、圧倒的に多いため、自然と手が伸び、好んで読んでしまう。一言、好き、と、言い切ってしまうのではなく、複雑な思いを噛み締めた上で、好き、と言いたいような、そんな逡巡を、容易に触れることの出来ぬ、躊躇いを含め、身遠さをなぞりつつ、その言葉を味わいたいと思うような、稀有な作家の一人。
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

あげこ

Author:あげこ
あげこ
女、1987年生まれ

読書感想中心。
矢川澄子、幸田文、森茉莉、武田百合子、津島佑子、笙野頼子、河野多恵子、岡本かの子、野上弥生子、皆川博子、津村節子、原田康子、村田喜代子、高樹のぶ子、高橋たか子、倉橋由美子、久生十蘭、室生犀星、武田泰淳、獅子文六…愛しています。

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