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新井千裕ランドの記録 『忘れ蝶のメモリー』『あおむけで走る馬』

『忘れ蝶のメモリー』
まるで言葉のテーマパークのような物語、溢れんばかり、随所に散りばめられた、言葉の仕掛けが楽しい一冊。世界を形作るは文字と記号、「僕」と「少年」は世界を進む、文字と記号の世界を進む、言葉の二人が世界を記したページを進む、端から端までページを進む。終わらないナンセンスな言葉遊び、繰り返されれば正直くどい。だが、二人の冒険は、それもまたいいかと諦めさせるほどの、夢のような、面白さ。冗談のように広がる世界に秘められた、不穏な現実。未来人が示唆する、不可思議な世界の仕組み。楽しかった冒険の終わり、悪い予感は当たり、あの夢の、楽しさの余韻をと、煩わしい言葉遊びにさえ、ほのかに残った温もりにさえ、ちくりと痛む寂しさを、煽られる。

『あおむけで走る馬』
イメージは膨らみ、言葉には尾ひれ。軽めの言葉を添えられても、笑いには、中々繋がらない。凡打が延々と続くような煩わしさ、処理し難く、受け流すほかのない言葉の生ぬるさ、だが、それはそれで惰性、流れるよう、結局最後まで読んでしまう、不思議。意味のない思いつきを、意図のない連想を、研磨することなく、放出し続けているような言葉のくどさは、滑らかに生きて行くことが出来ないものたちの、捻れに捻れた苦痛の厄介さや、不器用な率直さを、ぼんやりと、思わせる。重さはない、厚みもない、爽快さもない、ただ少しだけ、温かい。
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

あげこ

Author:あげこ
あげこ
女、1987年生まれ

読書感想中心。
矢川澄子、幸田文、森茉莉、武田百合子、津島佑子、笙野頼子、河野多恵子、岡本かの子、野上弥生子、皆川博子、津村節子、原田康子、村田喜代子、高樹のぶ子、高橋たか子、倉橋由美子、久生十蘭、室生犀星、武田泰淳、獅子文六…愛しています。

どうぞよろしくお願いします。
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