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音、形を読む目、快、不快を訴える皮膚 多和田葉子作品の記録

『飛魂』
「わたし」の口より次々と流れ出る言葉によって、幾つもの光景が、浮かんでは、消える。光景を紡ぐ言葉、世界を作り上げ、虚構である、そのすべてに命を、役割を与える言葉は、一つの世界の源として背負う、責務の重さとは裏腹に、風のような軽やかさを以って、心地好く、胸に馴染み、落ちる。「わたし」より出でた言葉たち、「わたし」を離れ、自由を得、宙を舞い、戯れているかのよう。名称、名前、呼び名…音を頼りに、思い浮かぶのは、それらに備わるもの、それらの魂、そのもの。作られた世界を読み、音を、形を、瞳で愉しむ。

『きつね月』
例え馴染みのないもの同士であっても、言葉たちは当然のように、すました顔で、つながり合う。今までに感じたことのない、未知の言葉の感触が、見知らぬ相手であっても、平然と結び付く言葉たちの危うさが、よく知り、よく馴染んだ言葉たちを、言葉たちへの信頼を、ドロドロと、溶かして行く。溶かされた信頼、柔らかく、自在に形を変えて行く言葉たち、触れ続ける心は、違和感に、ひどく、落ち着かない。言葉を捉えたのは、確かに、目であったはず、だが、快さを、不快感を、訴えるのは、皮膚。敏感に狼狽え、快不快を深く、心に刻み込む、皮膚。まるで言葉そのものが、自らの内に、染み込んで来るかのよう。
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

あげこ

Author:あげこ
あげこ
女、1987年生まれ

読書感想中心。
矢川澄子、幸田文、森茉莉、武田百合子、津島佑子、笙野頼子、河野多恵子、岡本かの子、野上弥生子、皆川博子、津村節子、原田康子、村田喜代子、高樹のぶ子、高橋たか子、倉橋由美子、久生十蘭、室生犀星、武田泰淳、獅子文六…愛しています。

どうぞよろしくお願いします。
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