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笙野頼子による殲滅の記録 『母の発達』『二百回忌』

『母の発達』
母は発達した。既存の”母”を殲滅し、新種の”母”を、次々生み出して行く存在へと。娘は自ら殺した母の発達を、懸命に、手助けする。同じ呪縛の犠牲者であった、母と娘が結託して挑む、愉快で楽しい、恐怖の解体作業。…これだから笙野頼子はやめられない。解体されて行く敵は当然、二人をそれまで抑圧していたものたち、手垢に塗れた女性像、母性というものへの信仰による、呪縛。言葉が見せる、歪んだイメージ、自分たちを苛むものへの、皮肉と嘲笑の色合いを、たっぷりと含んだイメージ。渦巻き、氾濫するそれらの猛攻によって、堅固であったはずの呪縛が、無様に崩れ落ちて行く喜び、爽快感。勢い良く暴れ回る言葉の群れ、激しく苛烈な奔流が、どす黒い笑いを運び、読むものの心を圧倒し、残忍な痛快さに満ちた、愉悦の時間へと、誘う。

『二百回忌』
嫌らしく、煩わしく、こびりつき、離れずにいるものたち、土地、血縁、家族…それらをぶち壊し、台無しにして行く、イメージの波。嫌悪、皮肉、嘲り、闇を象る乱痴気騒ぎ。悪意の、その中に存在していた僅かな温かみさえ、騒乱の渦に、飲み込まれて行く。何もかもが、惨たらしく、滑稽に、歪められて行くことの痛快さ。人々が浅く秘めた、矮小な闇を引きずり出す、幻覚の楽しさ。ハチャメチャな悪夢、酷く、激しく、容赦無く、だが、それはいつも、苦しみを吐き出すような切実さを以って、真剣に、どこまでも真剣にハチャメチャであるが故に、快いと感じられる。
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

あげこ

Author:あげこ
あげこ
女、1987年生まれ

読書感想中心。
矢川澄子、幸田文、森茉莉、武田百合子、津島佑子、笙野頼子、河野多恵子、岡本かの子、野上弥生子、皆川博子、津村節子、原田康子、村田喜代子、高樹のぶ子、高橋たか子、倉橋由美子、久生十蘭、室生犀星、武田泰淳、獅子文六…愛しています。

どうぞよろしくお願いします。
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