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高橋たか子『記憶の冥さ』

《私がこれまで書いてきた小説は全部、私自身の懺悔なのだ》
《私は自分が犯しもしなかった罪を懺悔している》

閉塞に濁る現実の息苦しさ。寄る辺のない孤独、虚ろに沈む心を抱え、漂い続けるほかのない、生につきまとう、苦しみと、煩わしさ。自らを偽らず、魂が欲するまま、悦楽を貪り続けるものたちの、魔性。闇を克明に、偽りの愚かしさを冷酷に、描き、作り上げられた、いくつもの世界。その内より、内に宿る陰翳より、生まれ出でた、いくつもの世界。時に、潜在意識にまで、自らにさえ、律し得ぬ闇にまで、手が届いてしまうほどに、自らの内に、深く、潜り込む。自らの不幸を、寄り添うものの冥さを、象り、解き明かすため。いくつもの世界を、作り続ける。その世界はいつも、静かに渇き、陰惨な相貌をしていた。魔は妖艶に光り、だが、触れれば重く、振り払い難い、痛みを遺す。それらはすべて、著者自身の闇に、尽きることなく、息づき続ける闇に、その生々しき闇に触れていたからこそ、感じていた、痛み。伴う快さは、著者が自らを解き明かす試みに込めていた、ひたむきさへの、思慕より出でたものか。自らと対峙し、その魂を言葉にする、そして、その試み自体を言葉にする、したたかさ。逃れられぬ凄み、魅入られ、黙してただ、とどまり続けるほかのない、自らの心を悟る。
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

あげこ

Author:あげこ
あげこ
女、1987年生まれ

読書感想中心。
矢川澄子、幸田文、森茉莉、武田百合子、津島佑子、笙野頼子、河野多恵子、岡本かの子、野上弥生子、皆川博子、津村節子、原田康子、村田喜代子、高樹のぶ子、高橋たか子、倉橋由美子、久生十蘭、室生犀星、武田泰淳、獅子文六…愛しています。

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