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若く、瑞々しいきらめきの危うさ、甘い夢に落ちぬ、終わりの好ましさ 原田康子の短編の記録

「サビタの記憶」
眩しいほどに煌めく、瑞々しさ。淡く、疼くような痛み。新しく、鮮やかに息づいた感情、見知らぬそれを、綺麗に掴むことが出来ず、戸惑う姿の、そして、戸惑いに勝る喜びを、素直に、或いは、躊躇いがちに、享受する姿の、愛おしさ。なにかを埋めるよう、なにかに追い立てられるよう、促す、自らの成長。暗く、陰鬱な時代への予感。憧憬というものの、切実さ、美しさ、その行く末の、儚さ、残酷さ。止めようのない、変化の中で、自らの若さに驕ることなく、強く、忙しなく、しなやかに育って行く心。時が過ぎ去るよう、思いもまた当然、薄れてしまうもの。自らに都合のいいよう、書き換えたそれを、時折、ぼんやりと、眺めながら、それでも、決して、縋りつきはしない。苦く、甘やかな憧憬に触れた余韻、愛おしむよう、静かに、抱き締める。

「愛しの鸚鵡」
脆く、繊細に揺れ動く心の熱さ。高まる激情に、内に秘め続ける術を知らぬまま、抑えようと足掻くほど、より強さを増す激情に、飲まれ、沸き起こる残忍な衝動にさえ、身を委ねてしまう、危うさ。息を飲むほどに痛ましい煌き、愚かしくも、切実な、若さの発露。その幼い心を見守る男の、静かな優しさ。身勝手な夢を見ることなく、ただ、諦めを選んだ自らを守るよう、淡々と。熱を確かに秘めながら、それでも、冷静に、自らを保つよう。甘い綻びに落ちることのない、結末が、息苦しさと、不穏に満ちた結末が、壊れかけた心の痛みを、それに触れるものの、決意の強さを、肌を刺すよう、克明に、伝える。
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

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あげこ

Author:あげこ
あげこ
女、1987年生まれ

読書感想中心。
矢川澄子、幸田文、森茉莉、武田百合子、津島佑子、笙野頼子、河野多恵子、岡本かの子、野上弥生子、皆川博子、津村節子、原田康子、村田喜代子、高樹のぶ子、高橋たか子、倉橋由美子、久生十蘭、室生犀星、武田泰淳、獅子文六…愛しています。

どうぞよろしくお願いします。
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